ネパール買い付け無駄話 ネパール語と壇蜜
昔東ネパールをワゴンRで爆走していた時 ドライバーと通訳さんが急に壇蜜壇蜜と言い出したことがありました。 このドライバーはリンブ族のシャ...
紅茶が好きで好きで茶園まで行ってしまった僕ですが、茶園に行くまでは紅茶の知識は(時代のせいもありますが)ほとんど紅茶の関連本から学んでいました。そして紆余曲折あって買い付けに出ます。
そこからのお話。
英語喋れない、パスポートも作って1週間、海外行ったことない、というか飛行機乗るのが3回目、でしたのでそれはそれは不安でいっぱいでした。周りの誰もに止められましたし、なんで紅茶の仕事始めるのに茶園に行くの?と聞かれたり、もっと勉強してからでもいいんじゃないの?と言われたり反応は様々でしたが「よし頑張れ」という言葉は特に聞かれず・・・。
そんな状態なので心の中にも不安しかなく、ひょっとしてネパールの土になるんじゃないだろうかこのまま過激派かなんかに打ち殺されて日本に帰れないんじゃないだろうか早まったことをした早く帰りたい俺はなんて馬鹿なことをしているんだ紅茶なんか自販機で買えるじゃん…………、とか黒い想いを集めたらちょっとした大河ができるんじゃないかと言うくらい色々思いながら初めて茶園に、やっとの思いでフラフラたどり着いたあの日。
現地の人の何気ない話や生活から「紅茶の本に書いてある話は大体大嘘」ということを学びました。
さて、そんな知識の中で一番びっくりしたのは「紅茶の等級は作り手売り手が勝手に言っている」というものでした。
その昔、紅茶の等級として本に書かれていたものは
OP(オレンジペコ)もっとも良い、一番大きい葉
P(ペコ)その次に良い
PS(ペコースーチョン)あんまし良くない
S(スーチョン)一番小さい葉、中国語の小さいとか種とかいう意味の言葉が語源
とか、大体こんな感じでしたが(色々あるとは思いますが)、現地に行って最初に聞いた最良品の等級はSFTGFOPというもので、その下に連なる等級もすべてなんとかOPを名乗っており、その詳細も全く違いました。
ありゃりゃ?????と思ったのでしつこいくらいに色々聞き、茶園に行って仕事の内容を聞き、次の茶園でも根掘り葉掘り聞きを繰り返して解ったのは、作っている茶園それぞれが一番いいもの、その次にいいものといった感じで勝手に分けているだけで実は紅茶の等級というものに統一規格は特にないということでした。
つまり、OPやSなんてものは最初からないし売り手がそうだといえば全部OPになることもできるのです、なんて馬鹿な話でしょう。
初期に紅茶を入れた商社とそこが取引をしていた茶園などがそのような分け方をしていたのか、或いは商売の規模が大きくなるにしたがって紳士協定のようなものが無視されていったか、そのような感じだと思いますが、肩の力が全部抜けた瞬間でした。
それ以来紅茶に関する本はあまり真面目に読んでいません。間違っている話は他にもたくさんありますし(わかって書いている気もしますが)。あと茶園に買い付けに行っているよ、という人にもちょこちょこ会うのですが嘘ついている人もそれなりの割合で紛れているのもわかるようになりました。
あちらもこちらも結構いい加減なようです。
より多くの方に紅茶が愛されますように