イラムは世界一の紅茶どころ、ダージリンの隣、ヒマラヤ山脈にあるため、気候条件などは非常に似通っており、昼間は暑く、夜は眠れないくらい寒くなるほど激しい温度差があります。雨期は日本の梅雨顔負けで、雨が降ってなくても洗濯物が乾ないほど高湿度です。現地の人々とって容赦ないこの気候ですが、紅茶の生育には最高の環境です。さらに、昔ながらの農法のおかげで、畑の土はとても良い状態を維持しています。これらの条件が重なった結果、世界一美味しいといわれた頃のダージリンティーの味を維持し続けているのです。
ネパールの紅茶は基本的に手作業で作られており、農薬や化学肥料は使わず、水牛のし尿から作られるたい肥を、肥料と虫よけを兼ねたものとして使用します。また、収穫の時期も基本的に雨期の入りや乾期の入りに合わせており、収穫も現地の女性が籠を頭や肩に引っ掛けてコツコツと行います。これらは大昔からある自然環境に合わせた本来の紅茶の作り方なのです。この昔ながらの農法を守り続けることこそ、イラム紅茶の美味しさの秘密といっても過言でありません。
ヒマラヤ紅茶とは、インド・ネパール・中国南部・チベット・ブータンなどで作られる紅茶のこと